米国FMC社のピレスロイド系ビフェントリンとは何ですか?
江戸時代から除虫菊を乾燥させて燻して蚊よけとして使用していました、日本の住友化学は除虫菊の忌避性が高く即効性の高い効果に注目して除虫菊を分析し、殺虫成分がピレトリンという成分であることを発見しました。そしてピレトリンを人工的に合成することに成功しました。
化学合成したものを合成ピレスロイドと言います。天然物である除虫菊と同じ化学構造を持つ合成ピレトリンは即効性と高い忌避性があり農業生産物の除虫菊と異なり、天候によって収穫が左右されなく安価に大量に製造が出来る利点がありました。身近なところでは蚊取線香として長年にわたり愛用されています。
しかし、合成したピレスロイドは天然物と同じ化学構造なので短時間で分解してしまい長期に効果を持続させるとこができません。
そこで世界中で合成ピレスロイド系殺虫剤の開発が行われました、ビフェントリンは米国FMC社が開発したピレスロイド系殺虫剤です。
特徴は水に溶けなく土壌粒子に強く吸着するので、溶け出して地下水を汚染することはありません。極低濃度0.05%でピレスロイドの特徴である即効性と残効性があります。蒸発することがないので刺激性はなく人と環境に対して高い安全性能があるのでWHO(世界保健機構)の標準殺虫剤としてデング熱やマラリヤ対策で広く使用されています、日本ではシロアリ剤、家庭用殺虫剤、農薬として多く使用されています。